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自分探しの旅

 

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モニュメント・バレーの夜明け。

 

 

ところで昔々その昔、まだSNSなんてものが影もかたちもなかったころ、<美穂の旅>というウェブサイトがあったのをご存知でしょうか。

 

どんなものかというと、旅を擬似的に楽しむ一種のメールマガジンサイト。登録すると自分の分身が旅に出て、行く先々で報告のメールを送ってくれるのです。時には現地の写真までつけて。

 

たとえばこんな感じ。

 

「ボンジュール!ヒキガエルさん。

 

わたしは今、パリに来ています。モンマルトルから眺める青空はとってもきれいで、サクレ・クール寺院の白がよく映えます。さっき絵描きのおじさんにわたしのポートレイトを描いてもらいました。実物より可愛い肖像画に仕上がったのでお礼を言ったら、おじさんが『見たとおりに描いただけだよ』ですって!嬉しくて何度もメルシーって言ってしまいました。では、これからアメリのロケ地になったカフェに行ってきまーす」

 

確かこんなような内容をちょいちょい送ってくれたと記憶しています。それを受け取った本体のわたし(パスポート未申請)は「ふむふむ、あいつも頑張ってるな…」と目を細めたものでした。

 

あれからだいぶと時が流れました。本体もようやくパスポートを手に入れ初めての海外旅行を楽しんだりバイトしたりバイトをクビになったりと、日々忙しく暮らしていました。そしてある日ふと気づいたのです。わたしの分身、帰国してねーなって。

 

フランスに行ったあと、ドイツでザッハトルテを食べてイタリアでジェラートなめたって話は聞いた気がするのですが、あれからあいつどうなった?無事なの?

 

それから海外に行く機会があると、なんとなーく「わたしの分身、元気にしてるかなぁ」と思うようになりました。空港から市街地に向かう電車の中、ふと窓の外を見ながら「分身はここも旅したのかな」と想像を巡らしました。出張で行ったハワイ、出張で行ったオーストラリア(プライベートで行くお金はなかった)…海に沈む夕陽を眺めながら「分身もここに来てないかなぁ」と本体は夢想しておりました。

 

そして今回モニュメント・バレー行きが決まったとき、わたしは密かに予感したのです。モニュメント・バレーといえばナバホの聖地。そう、きっとずっと行方不明のわたしの分身も来てるんじゃないかな。あいつスピリチュアルとかけっこう弱そうだったし。旅に出てから10年以上、海外一人旅で揉まれに揉まれまくったわたしは、きっとすごくたくましく成長してるに違いない。いつまでもジェラートなめてるばっかじゃない。

 

そんなことを考えながら、モニュメント・バレーでホテルの敷地内にある博物館あたりをウロウロしていたときのことです。ひとの気配を感じました。

 

まさか!

 

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 すごくたくましくなってたー。