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髪にまつわるエトセトラ

ある朝起きて鏡を見たら、髪が伸びていました。

ぽさっと肩にかかる髪は、いかにも手入れ不足という感じで、なんだかちょっと情けない。萎れた草がだらりと垂れているようです。おかしいなぁ。少し前まで自分は「髪を伸ばしている」んだと思っていましたが、何かを境にして「髪が伸びている」に変質してしまったみたいです。そして両者の間には三途の川並みの絶対的な隔たりが存在していて、わたしは焦ってホットペッパーのウェブサイトで検索をかけまくりました。

ところで、髪を切る場所のことをみなさんなんと呼んでいますか。観察するところでは「美容院」か「ヘアサロン」が一般的な呼称のようですが、この二つの間にもそれこそ決定的な隔たりがあるように思うのです。「美容院」はどうも昭和の香りが強く、週刊女性誌の表紙を連想させます。一方「ヘアサロン」はもうおしゃれ、とにかくおしゃれで、壁も床も真っ白くて眩しいイメージ。こちらの方は、おしゃれすぎる美容師さんと会話に窮してしまう自分の姿が目に浮かびます。

できればその中間でほどほどのモダンさと居心地の良さを備えた呼び方があるといいな、と思うのですが、いまだ出会っていません。「ほらあの髪を切るところ」などと言ってお茶を濁しています。適切な呼称にめぐり会うが早いか、わたしが「ヘアサロン」という言葉に耐えうるくらいに洗練されるが早いか。そうこうしているうちに「美容院」という言葉が一番しっくりくる年代になって、問題が全て解決するかしれないけれど。

伸びすぎた髪ですが、飛び込んだお店で無事トリムされ息を吹き返しました。なかなかおしゃれなお店で良かったよ。想像通り、美容師さんとの会話に窮したけど。