読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最強のアンチヒロイン

スカーレットは学校で一番モテる女子。放課後は男をひきつれカフェに入り浸っては、フラペチーノやらスコーンやらをおごらせるのが日課。勉強はできないし、ワガママな性格が災いして女ともだちはひとりもいないけど、そんなのどうでもいい。男にちやほやされる以上に大事なことなんてこの世にない。

 

そんなスカーレットが、初恋のひとアシュレーを追いかけてうっかりテニス部に入部。そこでコーチに人並みはずれた身体能力と才能を見出され、エース目指して特訓を受けることに。アシュレーと夏季合宿に行きたいだけなのに、なぜ朝6時から汗まみれでコートに立つことに? しかもアシュレーにかわいい彼女ができたなんて、入部した意味ゼロ! そんな思いとは裏腹に、生来のタフネスのおかげでテニスだけが上達していく。部の女子よりも、男子よりも、憧れのアシュレーよりも強く…。

 

インターハイ出場の前日、決死の思いで告白したスカーレット。それなのにアシュレーの返事は「僕では君に釣り合わないよ…」絶望のあまり出奔しようとしたそのとき、手にふれたのはテニスラケットだった。血のにじむような練習ですっかり硬くなった手のひらをみつめてつぶやく。「そうだ…わたしにはテニスがある!」スカーレットはラケットを握りしめ、試合会場へとひた走る。

 

f:id:lmsunshine2123:20150622110514j:plain

 

 

いや、ほんとこんな感じの話でした。よくこんなヒロインが広く世界で受け入れられたな。

 

彼女の性格を一番よく表しているのがラストシーン。夫に愛想をつかされ、屋敷にひとり残されるスカーレット。「どうしようどうしよう。どうやったら戻ってきてくれるかしら。なんとかして彼を連れ戻す手立てを考えなきゃ。ああ、でも思いつかない。頭がクラクラしてきた。明日考えよう」

 

あしたかんがえよう!!!

 

追いすがるでもなく、ヒステリーを起こすでもなく、脳みそがシャットダウンしてしまいました。ほぼコメディです。わたしは映画館で笑いをこらえるあまりひきつけを起こしそうになりました。

 

そんな性格だからこそ、南北戦争の混乱の極みでも決して正気を失わず大根を掘ってかじりながら生き延びることができたのですが。正統派メロドラマの主人公になるには、あまりに逞しく、情緒に欠け、正気すぎる女性、スカーレット。その異色のヒロインっぷりに、変わり者が大好きなヒキガエルさんの心は震えっぱなしです。