イチゴづくし

さて、イチゴの季節になりました。

 

ヒキガエルさんは、このイチゴというものが好きで好きでたまりません。「世界で一番好きな食べ物は」と問われたら、質問が終わらない内にイチゴイチゴと答えてしまうくらいの好物(次点は牛肉です)。ひたすら甘いブランド品種は当然として、ちょっと酸っぱい無名のイチゴだって、初夏に出回る野性味溢れる小粒の露地ものだって、それぞれ風味があってどれも捨てがたい。風邪の時、親知らずを抜いた時、どんな体調不良の時でも食べられなかったことはありません。イチゴは決してわたしを裏切らない。わたしも決してイチゴを裏切らない。

 

イチゴの魅力は何といっても程よい酸味。ゼリーにしたりヨーグルトをかけたり様々な食べ方がありますが、やっぱり生クリームと合わせて「さっぱり」と「もったり」のバランスを楽しむのが最良ではないかと思うのです。生クリームでまったりした口にイチゴを放り込むと、前者のくどさが中和され涼やかな気持ちになります。「生クリーム→イチゴ→生クリーム→イチゴ」の反復を永遠に繰り返すことができそうな錯覚すら覚えます。

 

当然イチゴのショートケーキに目がないヒキガエルさんですが、それと甲乙つけがたいくらい好きなのが、カリカリにトーストした食パンに生クリームと薄切りのイチゴを乗っけたもの。子どもの時分から、休日の朝食にこれを食べるのが春の楽しみでした。大人になってからも、冬が終わる頃から果物売り場のイチゴの値段を定点観測し続け、このイチゴトーストを食べる機会をずっと窺っています。

 

こんなに好きなんだから、一度イチゴスイーツのビュッフェなるものに行ってみようかと思い立ち、ネットで検索をかけてみました。画面に映し出される華麗なケーキの数々に発狂寸前になりました。天国ってこんな身近なとこにあったのね。これは万難を排して行くしかない、明日にでも、と心に決めたヒキガエルさんでしたが、一晩寝て起きたところで考えを変えました。「芋粥」の話を思い出したからです。あの物語のようにこんなに大好きなイチゴ、いつか飽きるほど食べてみたいと思っていたイチゴに、夢が叶って本当に飽きてしまったらどうしよう。そうなればヒキガエルさんは人生の大きな楽しみを失うことになります。そんなリスク、冒すことはできません。なぜならイチゴは決してわたしを裏切らず、わたしも決してイチゴを裏切ってはならないからです。それほどまでにヒキガエルさんはイチゴを大事に思っています。もぐもぐ。