夏一番のお楽しみ

盛夏のみぎり、みなさまいかがお過ごしですか。 

私は毎日毎日、ラジオの「夏休み子ども科学電話相談」を聞いて楽しんでいます。植物、天文、魚類、昆虫、恐竜など、各分野の研究者が子供たちの質問に立ち向かうアレです。

 

 これが楽しい!これがハマる!

 

 「なぜカブトムシとクワガタムシは結婚できないの?」「なぜLEDの光でも植物は育つの?」「なぜ円周率はずっと続いていくの?」

子供たちのいだく、こんな素朴かつ大胆な「なぜ?」が最高に面白いのです。みんななんて質問を考えつくんだ!

 

そして質問にまっすぐ向き合う先生たちがまた良いのです。電話でのやりとりのみで、つまり文字も図も一切使えない状況の中で、できるだけ分かりやすく子供の疑問に答える手腕が見事。たとえ話をうまーく駆使して、3歳の幼児にも分かりやすく自然科学の謎を解き明かすのです。これがすごい!分かりやすい!

 

しかし、敵もさるもの。

先生「だから光合成がね」

アナウンサー「○○ちゃん、光合成って分かる?」

子供「うーん、分かんない」

先生「分からんかったかー」

 

こんな感じで、説明の語彙に縛りをかけてくるのです。これは難しい!ふだん専門用語を駆使して意思疎通している研究者たちから、その言葉を奪うわけです。そんなギミックに頼らず素手で戦おーぜと仕掛けてくるわけです。この無自覚の挑戦状がすごい!

 

視聴者の私は、ふーむふーむと呟きながら、固唾をのんで先生の次なる一手を待ちます。いかにして研究者たちはこの若き挑戦者たちに応えるのか? ボクシングの試合もかくやのスリルです。

 

子供たちの質問は様々ですが、個人的に好きなタイプが二つ。

 

一つは、ほんっとーに素朴な質問です。「どうしたら昆虫が好きになれますか?」「ダンゴムシがよくみんな一緒にいるけど、あれは家族なんですか?」可愛らしい質問に涙が出そうになります。答える先生たちの声も優しく、それを聞いてると「幼子イエスを抱くマリア像」を見たときのような清らかな心持ちになります。

 

その一方で、専門性の高い質問も、たまらない魅力があります。「デメニギスの目はなぜ上を向いているんですか?」「ティラノサウルスとスピノサウルスはどちらが強いですか?」な、なんやってー!? この子、なんでそんなに詳しいの。この世に生まれてたった10年足らずで、いったいなぜそんな知識を身につけられたのか不思議でなりません。

 

先生たちも「この子は話が分かる!」と嬉しそうです。「じゃあこれも知ってる? これはなぜだと思う?」とマニアックな関連知識を子供に逆質問です。院試の口頭試問か!

 

しかし中には全ての問いに答えられる、すごい子供もいるのです。事典の定義が全て頭に入っているような真のマニアが。先生も「参った!」と言っていました。素晴らしい。稀有な場面に立ち会えて、視聴者の私も大満足。特に恐竜分野の質問者は粒ぞろいなので、恐竜の話が出る度にワクワクします。

 

長々と書き連ねましたが、とにかく夏休み子ども科学電話相談はスゴイ。全方位的にスゴイ。聞き逃した方は、ぜひストリーミングで聴きましょう。